新年のご挨拶に代えて

慶應義塾体育会野球部 監督 堀井哲也

 昨シーズンは春秋のリーグ戦優勝並びに大学選手権優勝と、練習で培った力を存分に試合で発揮する事が出来ました。最後の明治神宮大会こそ準優勝に終わりましたが、福井主将を中心に四年生がガッチリとスクラムを組んでチームを引っ張ってくれました。卒業後に進むそれぞれの道で、四年間に積み上げた多くの経験を活かしていって欲しいと思います。
 新チームは下山主将、服部主務、五十嵐チーフスタッフを中心に昨年12月よりスタートしております。勝負の世界は常に結果が付き纏います。結果から様々な判断する事は当然至極でありますが、得意淡然失意泰然の境地で昨年を振り返り、今年のチームの取り組むべき方向性と課題に取り組んで参ります。

 咋春は開幕戦で法政大学三浦投手にノーヒットワンランで抑え込まれたものの翌日から投打がガッチリと噛み合っていきました。又、咋秋は打線が低調で投手を含むディフェンスで凌いだものの明治神宮大会決勝では頼みの投手陣が崩れました。以上からシーズンの最初から最後まで戦い抜く、個人並びにチーム全体の心技体がまだまだ不足していると感じました。これは一朝一夕に克服出来るものではありません。ましてや学生野球は一年毎にチームが入れ替わり、常に右肩上がりとはいきません。しかしながら、現実と向き合い課題にチャレンジしていく姿勢と取り組みそのものが学生野球の価値なのです。
又、昨年は早稲田大学にリーグ戦4試合で1勝2敗1分けと負け越しておりますので、対抗戦の精神で言えば完敗と言えます。リーグ戦通算194勝237敗11分の宿敵には今年も特別の思いでチャレンジしていく所存です。
 
 監督就任三年目で、学生スポーツには各種プロスポーツとは一味違った発信力を持つ事が理解できました。余談を許さないコロナ禍において、無償のフェアプレー、全力プレー、チームプレーで世の中の閉塞感を少しでも和らげる事が出来れば望外の喜びです。力の限り闘い抜きます。

2022年1月
堀井哲也