新年のご挨拶に代えて

慶應義塾体育会野球部 監督 堀井哲也

 昨年度は春の3位から、秋は完全優勝に明治神宮野球大会優勝という栄誉を手にし、改めて学生野球の可能性と素晴らしさを感じた1年でした。振り返ってみますと、春の開幕・法政大学戦、明治大学戦戦に勝ち点を落としてからの、粘り強い戦いが夏の練習を経て、秋に繋がったと思います。

 どんな時にも、対抗戦の意義を忘れず、ここまで歴史を繋いできた先人と応援してくださる皆様に敬意のあるプレーをすることが、六大学野球選手の責任であり義務でもあります。環境に甘えてしまうのか、更に努力を重ねていくのか、正しい方向に導くために我が身を律して学生諸君と共に更に精進を重ねてまいります。

 また、優勝の陰には4年生の直向きな姿勢がありました。テスト期間中でも休むことなく文武双全を追求し、上下級生の区別なく門限と早朝清掃を実行し、4年生全員が自ら何らかの役割を全うしていく仕組みを創るなど、学生野球の範となるような取り組みをしました。

 今年のチームは本間主将、宮田主務を中心に選手、スタッフ一丸となって昨年以上のチームを目指してスタートしております。チーム文化の形成にこれで良いというゴールはありません。塾野球部で学ぶ者は等しく、福澤先生、小泉先生、そして腰本元監督、前田元監督など先達の素晴らしい教えの実現に向けて日々精進していくのみであり、その姿をしかと見守っていきたいと思います。

 2024年1月
堀井哲也